育休を取れないパパでも産後クライシスは防げる

代表の青木です。

政治家の小泉進次郎氏が先日育休を取得すると発表しました。
いわゆる会社の育児休業とは少し異なり、3カ月間で育児休暇として時短やリモートワークをうまく使い、通算2週間程度の育児にあてる期間をねん出するという考えです。

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育児のサポートならパパ以外じゃなくても出来る。それでも男性に育休を取ってほしい理由

この記事ではパパが出来る具体的なアクションについて書いていきます。

産後クライシスという言葉を聞いた事があるでしょうか?
産後クライシスとは、出産後に夫に対する妻の不満が募り、離婚の危機に陥ってしまう現象です。
H23年に行った厚生労働省の調査では
「ひとり親世帯になったときの親および末子の年齢」
で一番多いのが0歳から2歳のときで、35.1%という結果が出ています。

産後2年で3割強の夫婦が離婚しているという事実です。
では、育休を取らないとそのリスクは高まるのでしょうか?
そんなことはありません。

■具体的に忙しいパパは何をすればいいの?

物理的に一緒にいる時間が取れなくても、ママの心と体を元気にさせる方法はいくらでもあります。

1.家に帰ってくる時間が遅くても、LINEや電話で
「いまどうしてる?」「疲れていない?大丈夫?」
と自主的に話を聞く姿勢を見せたり、気遣う。
→一日家で子どもの相手をしているママは、愚痴を言ったり話す相手がいないまま一日を終えることもざらではありません。
そして女性は遺伝子的に一日に話す平均単語数は2万と言われており、これは男性よりも1万3000多いことになります。
とにかく、会話をしてストレスを発散させることが大事です。

2.自分の世話は自分でする。
→とにかく産後すぐのママは自分と赤ちゃんのお世話でいっぱいいっぱいです。
食べた食器は自分で洗う、Yシャツは自分でクリーニングに出す、など、今までママがやってくれていたことも自分で出来るようにするとママの負担がぐっと減ります。
ワンオペ育児とは、1人が1人のお世話をすることではありません。
パパが家事を丸投げにしていたら、1人で3人(パパ、ママ、赤ちゃん)のお世話をしていることになります。
パパが自分のお世話は自分ですることでその負担は減ります。

3.「いつもありがとう」の言葉をかける。
→実は私の家もワンオペ育児で、ほとんど夫は家事育児にかかわることはできないのですが、一番効いたのがこれでした。
(家にいるときは私が出来ない家事をしてくれたり、子供と遊んでくれる良いパパです!)
「僕がいない間いつも家を守ってくれてありがとう、子供を育ててくれてありがとう」
と一日に一回は絶対に言ってくれます。↑私も働いているので家を守っているかはわかりませんが(笑)
家事や育児を当たり前だと思わない。もちろんママも、パパが仕事をして必要なお金を持ってきてくれることを当たり前だと思わないようにしないといけません。
お互いがお互いのしていることに尊敬と感謝を持って、一緒に頑張っていこうという姿勢を持つ。
大変の押し付け合いでは前に進めません。

4.月に一度でもいいから夫婦会議など話し合う時間を持つ。
→いま、お互いが何を考えているのか?
不満を感じることはあるか?あるとしたらどういう事か?
それに対して改善できることはなにか?
など、夫婦で意見交換ができる場を持つことが大事です。

あるご夫婦が、赤ちゃん連れでご飯を食べていた時の事。
パパは早く食べ終えて赤ちゃんを抱っこしているママと変わってあげようと、ご飯を急いで食べていたら店員さんに
「パパばかり食べてないで、ママにご飯を食べさせてあげなさい!」
と怒られたことがあったそうです。ママはその時店員さんに感謝したそうですが、後からパパの気持ちを聞いて
どんな行動でもそこに付随する相手の気持ちを知ることが大事だと理解したそうです。

パパがせっかく良かれと思ってしたことでも、ママは「そうじゃないのに!」と思う事があります。
でも、それを黙っていたらいつまでたっても解決しません。
お互いが相手を理解し、出した選択に納得することが毎日をストレスなく円滑に進めるコツだと思います。

それは、育休を取る取らないにも同じことが言えます。
「育休を取らない」という選択肢も、双方が納得していれば大いにありなのです。
一方が育休を取ることに納得していても、一方が納得していなかったら、それは話し合う必要があります。
育休に限らず、そんなシーンはこれからいくらでもあります。
お互いの全く違う価値観をすり合わせ、最適化していくのが家族です。

大事なのは、どんな些細な事でも言い合える環境を作ることです。
「この人の前なら何を話しても受け止めてくれる。大丈夫」
安心安全の場を夫婦で、親子で、家庭で持つことができれば。

産後は、そんなこれから長く長く続いていく子育てと夫婦の関係の方向性を決定づける大事なスタートラインだと考えます。
そして、そんな産後に向けて、出産前に

・些細な事でもお互いが気持ちを伝えあい話し合える環境
・お互いの感謝と尊敬(夫婦にどっちが上とかどっちが下はない。対等な立場であること)

を意識して作っていく必要があると思っています。

リクルートの事業iction!で面白い記事を見つけました。

お互いの仕事に無関心な夫婦ほど家事育児で揉めている

円満家庭も不満のある家庭も、家事育児の分担比率はあまり変わらないそうです。

何が決定づけているかというと、会話の頻度と、お互いがお互いの仕事やしている事に興味があるかどうかだそうです。
子育てはいつか終わります。
でもパートナーとの関係はずっと続いていきます。熟年離婚の原因で多いのが
「産後、夫から言われたこと、された行動が許せない」
だそうです。
子育てが終わっても、それをまだ許せていなかったら産後クライシスは終わっていないのです。

だから、本当は子育てより大事に関係性を作っていかなきゃいけない。

子育ては2人で同じ方向を向いて。
夫婦の関係構築は2人が向き合って。
幸せな子育てである前に幸せなパートナーシップを築いていく事を忘れずに…