合否発表で「講師にならない」と決断した生徒さんの話

先日、講師育成プログラム46期東京が無事に終わりました。

いつも、合否発表の時は個人面談も行うのですが、受講生さんの2人が話しているうちにポロポロと涙を流すのです。

その涙は、なんの涙?と聞いたら、わからない…と。

育成を受ける4日間は色んな感情の変化ががその人の中で起こります。
受講中に感じる周りとのレベルや温度差、思うように出来ない課題や、小さな子供を抱えて動けないもどかしさ。
そうして、本当は、2日目で辞めようと思ってましたと、話してくれました。
しばらくは子供と一緒にいるって決めました、と。

でも。言葉にならない感情は涙になって溢れるから
本当に、本当にそう思ってる?と聞いて
「きっと、本当にそう思っていたら、ここでこんな風に私に話してくれないよね?だから、きっと、何かがここにあるんだと思うんだ」
私は彼女の本当の気持ちはわからない、ただ、その溢れ出た感情の対処法は
「ただその感情だけをそこに置いておいてね。もし書けるようだったら書いておいてね」と話しました。

そうしたらポツポツと、自分が本当にやりたいことを少し話してくれて
協会は逃げないから、大丈夫、待ってるから、落ち着いたらおいで。と言いました。

そして、いま彼女が出した決断の
「子供と一緒に過ごす時間を大切にする」
を心から応援しました。

小さな赤ちゃんを抱えているから尚更、色んな感情は、わかる部分もある
もう少し時間があったらそこに一緒にただいて泣くことも出来ましたが…
そういう時は勉強になると同時に自分の器が問われます。
前に同じような状況で去ってしまった受講生さんのことを思いだしていました。

その時は私の器が足りなくて話ができなかった。
今回彼女が話してくれたことに感謝しました。

おひるねアートは、現場の事は講師に聞いたらわかるし私と同じ理念で動いてくれている事務局がいるから、私がいなくても協会は動きます。

じゃあ私の役割は何かと問われたら、協会はどこに行きたいのか方向性を示すことと
講師が迷った時、何かを決意した時、自分の生きる道を決めた時に話すトーテムポールみたいなものだったら良いなぁと思っています。

最近講師から受ける話は人生相談、というかそれでもない
「私こう決めました!」っていう報告だったりして、それをただ受け止め見守っているのですが
私を通じて、私に話すことで、自分に誓い、覚悟を示し、前に進んでいける(それはおひるねアートじゃなくても良いし)のだろうなぁと思います。


「協会の代表なんて何を言っても「どうせその協会に所属して欲しいから言うんでしょ」と思われるのがオチです」
と言われた事があって、まぁ、そうだろうなと思いますし(笑)

だからこそ説得はしないしジャッジもしないし、突き詰めた結果がおひるねアートじゃなくても全然良くて、ただ進む道を見つけられたのならそれだけがすごく嬉しいし。

せっかく同じ思いを少しでも持ってこの協会にきてくれたんだから、引き止めるとか合わない人はサヨナラとか、そんなのあまりにも寂しいので、ちょっとでも何か自分の人生において触れるものがあったら良いなーと思いながら4日間話をしています。
対面だからこそできる事があって、それは言葉にならない感情があるからそれを擦り合せることで、ただの知識技術を詰め込む場所じゃない。


育成大変じゃないですか?自動化したら良いのに、とよく言われますが
そのいちばん大事なところに力を注ぐために他を自動化するんだよ。と思ってます。