赤ちゃんに厳しい東京で子連れ通勤をしてわかったこと

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おひるねアート協会の事務局(本部)が東京は中央区、日本橋に新しく移転してから5ヶ月が経ちました。
私はもうすぐ3歳になる息子えいちゃんと、子連れ出勤しています。
赤ちゃんにきびしい国で、赤ちゃんが増えるはずがない。/三輪舎
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多いときで週に4~5日通勤しています。
土日は出張なのでほぼ家にいません。
平日保育園に預けて、土日家にいなかったら、ほとんど子供たちに会えない!
という気持ちと、そもそも希望の幼稚園or保育園に入れない。
という理由もありますが
それ以上に子育てしながら働く社会を作りたい、そんなお母さんのロールモデルになりたい。
という思いでそのスタイルをとっています。
打ち合わせは大体事務局に来てもらうことが多いのですが、月に5~6回は一時保育を利用しています。
持ち帰った仕事を子供たちが寝てからやる、ということはほとんどだし、仕事が詰まっているときの平日夜や
土日の出張時は夫が子供たちをみています。
おひるねアート協会は子連れ出勤OKの職場です。
地下が事務局、上はフォトスタジオです。
スタジオで撮影をするカメラマンがお子さんを連れてきたら、撮影中は地下の事務局でお子さんをお預かりしています。
事務局員さんはおんぶをしながら仕事をしたり・・
時にはW抱っこで対応しています(笑)
東京の中心で子育てをしながら仕事をするということはどういうことか。
ベビーカー論争も頻繁に起こるようなイメージの東京。
よく、頻繁にネットやニュースであがる記事は、ママにとって悲しい気持ちになるものばかり。
泣いている赤ちゃんを見ると舌打ちされる?
ベビーカーをたたまないで乗ったら迷惑そうな顔をされる?
階段ばかりの駅で途方にくれていてもは誰も見て見ぬふり?
というネガティブ意見ばかりが目立つイメージを持っている方も多いと思います。
ですが、実際通ってみてわかったことがあります。
それは、東京の人は皆さんが思っているほど冷たいわけじゃないということ。
私の家から事務所まではドアTOドアで30分程度。
バスに乗って、電車に乗って、一回乗り換えて。という工程が入ります。
雨の日は特に大変です(傘をさして水溜りにじゃぶじゃぶ突っ込むえいちゃんは嬉しそうですが)
朝の通勤電車、えいちゃんはいつも大人しくじーっと立って乗っています。
皆静かにしてるから、自分も騒いじゃいけないということは解るようです。
ベビーカーは状況に応じて持参したりしなかったり・・だけど、朝はたたむことのほうが多いです。
子連れ出勤を始めて5ヶ月。
片道15分の電車はいろいろな気づきを与えてくれます。
先日はえいちゃん、帰りの電車でおじさんに席を譲ってもらいました。
ところが、座っている途中でウトウトしはじめ・・
両隣の席は若い男の子やサラリーマン。
眠気に負けてぐらっとなるたびに、しがみついたり、寄っかかったり。
あぁ、疲れてるだろうに申し訳ないなぁと、その度にすいません、と謝ったのですが・・
二人とも「いいですよ」とニコニコしてくださったのです。
いつも乗ってくる若いOLさん。
こちらをチラチラ見てくるので、迷惑に思われているかなぁと思ったら、えいちゃんと目が合うとにこっと微笑んでくれました。
おもちゃを落としたらすぐに拾ってくれました。
ベビーカーがぐらっと倒れそうになったらとっさに手が何本も出てくるときがあります。
ここ空いてるよ!と席が空いたら教えてくれる人もいます。
階段では率先して運んでくれる方が何人もいます。
そんなささやかな出来事のひとつひとつ、ありがとうという気持ちでいっぱいになります。
満員電車の中ってお母さんは本当に気を使うし、申し訳なく思っているので、そんな一言が
「ここにいてもいいですよ」
っていうお返事を頂いたようで、頑張るお母さんの疲れを吹き飛ばしてくれるのです。
東京にいるお母さんたちは、外に出ると謝ってばかりの気がします。
泣いちゃってごめんなさい。
ベビーカーで迷惑掛けてごめんなさい。
でも、すいませんと口に出すたびに
「ここにいてごめんなさい」
「赤ちゃん生んでごめんなさい」
という気分になってしまう。
一日の中で一番多く口に出す言葉がごめんなさいなんて、自分や赤ちゃんの存在すらも否定された気になってしまいます。
だから、外に出るのが怖いというお母さんの気持ち、よくわかります。
私も昔、そうだったので。
えいちゃんを産んでから、お姉ちゃんのときよりは少し気楽に考えるようになりました。
すいませんという言葉を連発するのはあまりよくないなと思っています。
だから、すいません、の後には必ずありがとうございます、とつけるようにしています。
手伝ってくれてありがとう。
迷惑かけちゃったのに許してくれてありがとう。
きっとそのほうが言われた方も嬉しいはずだから。
電車を降りてからも嬉しいことがいっぱいあります。
えいちゃんは、事務所のある駅に着くと、毎日コンビニによって必ずバナナを買います。
ビジネス街の中のコンビニはスーツを着たサラリーマンでいっぱいです。
そして、通り道にいるわんちゃんに挨拶をしてから職場に行きます。
コンビニの店員さんはえいちゃんを覚えてくれて、いつも挨拶をしてくれます。
今日も元気だね!
と声を掛けてくれます。
昨日はわんちゃんの飼い主さんが散歩に連れて行くところで、わんちゃんを触らせてくれました。
えいちゃんはすごく嬉しそうでした。
事務所はマンションの中の一室なので、管理人さんやマンションの住民の方にも挨拶をします。
皆さん、ニコニコ声を掛けてくれます。
事務局員さんが先日こんなことを言っていました。
「マンションのおばあちゃんに、ここは保育園なの?と聞かれました。騒がしくてすいません、と言ったら、「赤ちゃんがいっぱいで賑やかでうれしいわ」と言ってくれましたよ・・・」
子連れ通勤だからこそ繋がった出会いがあります。
東京の中心で子連れ通勤は、大変な事もあるけど、歩みが遅いこともあるけど、回り道してでも伝えたいことがあります。
子育てや介護が自然に存在する、周りが声をかけてくれる。
こんな社会を作りたいんです。
少し空いてた車内、隣で立っていたおじいさんに
「ちゃんと立ってて偉いですね。保育園に行くの?」
と声を掛けられ
「いえ、いつも一緒に職場まで行ってるんです」
と言ったら
「理解のある職場でよかったね」
とニコニコ、えいちゃんの頭を撫でてくれました。
嬉しくて、「私が作ったんですー!!」と言いたくてたまらなかったけど(笑)
知らない方だったからこそ、余計に嬉しい素直な言葉。
私は東京が大好きです。
たくさんの人であふれていて、活気があって、クリエイティブに満ちている場所だと思います。
人が多く集まる東京でこそ、それを行なうことに意義がある、と考えています。
えいちゃんは来年幼稚園です。
まだまだ待機児童が多い地域なので、希望の幼稚園や保育園に入るのに一年待ちだったりします。
この光景も、あと半年と少しで終わり。
一人で通うのは楽しみでもありますが、こんな出会いやえいちゃんとの通勤が無くなるのはさびしいな、と思ったりもします。
東京で子育ては大変なこともあるけど、楽しいことのほうがそれ以上に多い。
それを次世代に伝えていきたい。
子供はキャリアを邪魔する存在ではないし、東京はけして子育てに厳しい街ではないこと。
人生の生産性でいったら、子育てに時間を割くことはけして無駄ではないこと。
人生の成長でいったら、子育ては最高に面白い成長だということ。

そんなことを伝えたくて、今日も東京で子連れ出勤しています。